オゾンホールと地球温暖(19)

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Tarctic and Antarctic records by Canada Ozon Maps 2009-10-15
 南極のオゾンホールは黄緑色の部分で、時間ごとに形状と穴の大きさが拡大縮小、時には2つ3つに分離し、揺らぐように変化している。南極の場合、オゾンホールの周りがホールとは逆にオゾン濃度が最も高くなっている。ピンク色の中の濃紺と水色の部分のオゾン濃度が最も高い。黒い背景は平均濃度。黄緑色の中がオゾンホール。モスグリーン箇所はオゾン濃度が比較的薄い紫外線に注意すべきオゾンホール地域。
北半球の場合、アラスカ、カナダ、ノルウェースウェーデン、北シベリアにも発生し、北緯60度上を雲の速さとほぼ同じ速度で東へ移動している。南極より完全にホール化していない状態で、オゾン濃度の高い所の間に分散してオゾン濃度の低い場所が揺らぐように発生している。
 オゾンホールは両極付近だけでなく、北緯30度付近の北メキシコにも時々発生したり消えたりしている。さらに赤道付近のミクロネシアパプアニューギニア・アフリカ・ブラジルにも発生する。赤道付近のホールは西へ移動している。温帯や熱帯にも現われ、その発生と消滅は雲の動きより速い場所とあまり移動しない場所がある。1万メートル以上の高さの雲と気圧の変化による気象条件、磁場と関連してオゾンホールが発生したり消滅したりしている。オゾンホールの危険性は、南極、北緯60度、赤道付近、北緯30度の順でそれぞれ濃度や大きさが異なっている。

World records by Canada Ozon Maps 2009-10-17
 北極と南極付近の極冠地帯は、曇り空が多く晴れることが少ない。白夜や長い夜の季節は、紫外線は無関係で、両極付近を覆っている雲の上面とその周りのオゾンホールの隙間から、紫外線と太陽光が直射して氷が溶け出し始めている。さらに二酸化炭素による温室効果が極付近の気温上昇を速めさせている。両極に比較すると、温帯の温度変化は、今の所少ない。世界の平均気温は、1900年から2009年まで、全国的に1.2℃上昇している。

最近の南極沿岸Seal landの平均気温と降水量
赤い折れ線グラフは気温。青い棒グラフは降水量。南極点基地アムンゼン・スコットの年間平均気温は、現在-28℃〜-60℃。南極大陸の海に面した基地付近の年間平均気温は、夏期冬期の寒暖の差があまり激しくない。平均気温は3℃〜-8℃。

南極ロス島
南極ロス島の活火山エレバス山Mt.Erebus 3,794mは、現在も時々噴火し、麓の観測所の氷や雪、岩の上に火山灰を降り積もらせている。