KAL007_コクピット会話1

KAL007最後の機内会話(1)

Boeing747-230

<3:15:52-3:27:46a.m. 1st Septmber 1983>

機長 チュン・ビュン・イン Chun Byung-In 千炳寅
副操縦士ソン・ドン・フイ Son Don-Fui
航空機関士キム・ユイ・ドン Kim Yui-Don











































JST FROM 会話内容と機内放送
03:00:00 コクピットドアの開く音
03:00:08 Kim 「下げましょう」
03:00:11 添乗員 「機長、食事はどうですか?」
03:00:13 Chun 「何?」
03:00:15 Chun 「食事? もう食事の時間か?」
03:00:18 Anaunce 皆さんおはようございます。あと3時間ほどでソウルのキンポ国際航空へ到着します。現在3時。着陸前にお食事とお飲み物をサービス致します。この度はご搭乗ありがとうございました。
03:00:26 添乗員 「今食べたいですか?」
03:00:29 Chun 「あとで食べよう」
03:00:18 Anaunce 皆さんおはようございます。あと3時間ほどでソウルのキンポ国際航空へ到着します。現在3時。着陸前にお食事とお飲み物をサービス致します。この度はご搭乗ありがとうございました。
03:00:38 Chun 「そうか。何度も言うと嘘になる」
03:00:41 Chun 「良い事を何回も言いうと、悪くなるんじゃないか?」
03:00:57 Anaunnce 皆さんおはようございます。あと3時間ほどでソウルのキンポ国際航空へ到着します。現在3時。着陸前にお食事とお飲み物をサービス致します。この度はご搭乗ありがとうございました。日本語の後、英語で放送される。
03:01:03 Kim 「人はこのように生きなければなりません」
03:01:08 F/D コクピットドアを閉じる音
03:01:56 Son 「まだ暗いのは何故ですか?」
03:01:59 Chun 「まだまだ道は長い」
03:02:02 Son 「日の出の時間はまだですか?」
03:02:39 Chun 「やりわったら調べろよ」
03:02:45 Chun 「誰が書いたんだ。私は書きたくない」
03:02:47 Son 「ひとりでですか?」
03:02:50 Son 「書いてください」
03:02:51 Chun 「自分で書きなさい」
03:02:52 Son 「どうやって自分を書くのですか?」
03:02:55 Chun 「どうだろうと私は気にしない」
03:02:58 Chun 「もし私が自分の手で自分について書いたら、自分の文章のチェックを間違うね」
03:03:14 015 VHF 「007」

10分後から飛び立っているボーイング747KA015から一定間隔を置き確認の呼び出しが入る。何分速いか遅いか連絡は入るが、レーダーによる飛行間隔と位置の注意がなぜか無い。KA015とKA007の距離が500km以上離れ過ぎていたため、気象レーダーに機影が映ず、又は雨雲でレーダーに映らない場合があるので、それを疑問に思わなかった。 

03:03:19 Son 「お先にどうぞ」KA015へ応答する。
03:03:21 Chun 「何してる?」
03:03:24 Son 「何ですか?」
03:03:26 Chun 「何をしてる?と言ったが」
03:03:30 Son 「キムさんが楽しませてくれている。雑談です」
03:03:38 Kim 「そうか。ソウルに着いた後、これらの事を全部学んだ方がいいよ」
03:03:45 Chun 「何を勉強しろって?勉強する事は無いよ。ところで、いい季節だ。秋だね。紅葉を見るために一日休みたいもんだね」
03:03:53 Kim 「予約しなさい。予約」
03:03:56 Son 「ソラク山へ時間を取って何故行かないんですか?」
03:04:04 Kim 「なぜそうしないのですか?」
03:04:05 015 VHF 我々より約3分速いか?

KA015から無線が入る。

03:04:06 Son 「そうです」

と、KA015へ返答する。

03:04:10 Son 「あーあ(欠伸)」
03:04:20 Son NOKKAは182か25以上と見ています」

NOKKAとはアイヌ語で「岬の上」とか「原野の上」。北海道納沙布(ノサップ)沖南側100km付近の通過地点。

03:04:30 Son 「あーあ(欠伸)」「25です」「我々は1829と見ています。1829」
03:04:35 Chun 「1分遅れ、1分4分速い。それは25だ」
03:04:41 Chun 「もし、それより早くしたいなら、非常に複雑な習慣になるでしょう。ゆっくり、ゆっくり、それは複雑だ」

上昇中の操縦方法について言っている。

03:04:55 Son 「フムフム。我々は現在予期せぬ追い風を得ている」
03:04:59 Chun 「どのくらいだ?どのくらいだ?そしてどの方向だ?」
03:05:02 Son 「206」20,600フィート6,280mまで上昇中
03:05:04 Chun 「何ノットか彼に聞いてくれ?」
03:05:06 Son 「35ノットです」
03:0507 Chun 「それでどっちだ。どっち?」
03:05:12 Son 「040,040」
03:05:15 Chun 「30度? 30ノット?」
03:05:18 Son 「30度。ウム、40度方向。35ノットです」
03:05:23 007 VHF 3 「あー!あまり多すぎる。風頭までまだ行っていない。風頭は215度。15ノットだ」
03:05:32 Son 「そうですか? しかし、飛行風の向きに従うと360度15ノットです」
03:05:40 Son 「我々はこれが好きかも知れない」
03:05:47 Son 欠伸の音
03:05:51 Son 欠伸の音
03:05:52 F/D 「これをする理由は」
03:05:55 Chun 「彼は我々より前か?」

操縦席の前を迎撃戦闘機が通過して行くの見ていたと思われる。

03:05:57 Chun 「彼は我々の前か?」

Su-15であれば時速2,000km以上。最新のMiGであれば、時速3,000km。この時のボーイング747は、上昇速度時速400kmしか出なかった。前方を過ぎる迎撃戦闘機はライトしか点灯していず形が見えない。

03:05:58 F/D ...
03:06:06 F/D ...
03:06:32 F/D コクピットドアの開く音
03:07:28 Chun 「もっと速くしなさい。015は29と我々にとってノッカと同じだ。もっと速く!」
03:07:43 Son 「あいつらは何故あんなに急いでいるんですか?」
03:07:46 Chun 「奴らは追い風を待っている。」
03:07:47 Son 「何ですか?」
03:07:48 Chun 「奴らは追い風を待っている。35ノット」
03:07:49 Chun 「おっ!おっ!」


Su-15TMが追い越しながら右側から操縦席前を旋回し、後続の戦闘機(Mig-23)もKAL007の操縦席の前で旋回したのを見ていた。ジェット気流の追い風に乗ろうしていたと考え、それが警告誘導かどうははっきりしなかった。「彼ら」と複数形を使っている。

03:07:52 F/D ...
03:08:32 F/D コクピットのドアの音
03:08:36 015 VHF 「007」

KA015からの連絡

03:08:37 007 VHF 3 「お先にどうぞ」

KA015に追い越されるということになるが、コースが異なり、KA015との距離がはっきりしていない。

03:08:42 Chun 「350レベルまで上がれるか?(350は35,000フィート10,668m)」KAL007は上昇しようとしていた。
03:08:46 Son 「確かにできます」
03:08:48 015 VHF 「わかった。370を希望する」
「了解」

上昇し始める。上昇するうちどんどん遅くなる。

03:08:57 015 HF 東京管制塔 大韓航空015

KA015が東京管制塔へ連絡している。

03:09:04 TOKYO HF 「東京管制官を呼びます。どうぞ」
03:09:06 015 HF 大韓航空015 現在350への上昇を希望します。飛行レベル370以上です。

KA015の連絡

03:09:14 TOKYO HF 東京管制塔 スタンバイ BY CALL YOU BACK
03:09:17 015 HF 「了解。スタンバイだ」
03:11:27 F/D 「私は航空内に両替所があるということを聞いた事があった」
03:11:30 F/D 「航空内で両替?どんなお金?」
03:11:33 F/D 「ドルを韓国のお金に」
18:11:36 F/D
03:11:39 F/D 「ドメスティク・ビルでもまた両替できる」
03:11:40 F/D 「どこの国のだ?」
03:11:41 F/D 「それはドメスティック・ビル内のチョ・ハン銀行です」
03:11:43 F/D 「チョ・ハン銀行で変えられる?」
0311:44 F/D 「ええ、そのドメスティック・ビル内以外には場所がありません」
03:11:49 F/D 「もし、あなたがドメスティク・ビル内のチョ・ハンバンクに行きたいなら、何のお金を両替したい?ドルを韓国のお金にであればいいが」
03:11:55 F/D 「そうです」
03:11:57 F/D 「それもまたドメスティク・ビルの中にある」
03:11:59 F/D 「朝9時に開く。朝10時に両替できる」
03:12:01 F/D 「9時30分かも知れない」
03:13:28 F/D 解読不可
03:14:30   呼び出し装置の音
03:14:35 015 HF 大韓航空015の呼び出しは既に行った」

KA007はKA015と10分違いで飛行していた。

03:14:39 TOKYO HF 大韓航空015
感度良好 東京ATC 感度良好 KA5は上昇し、フライトレベル370まで達したという報告が届いた。

015 HF ...感度良好 ... 370(37,000フィート)まで上昇する。現在350を通過という報告が届いた。
03:14:57 TOKYO HF 東京。
03:14:59 007 HF 1 東京管制塔
KA007
03:15:03 TOKYO HF KA007東京
03:15:07 007 HF 1 「KA007は350へ上昇する事を希望する」
03:15:13 TOKYO HF
350を希望するって?

東京管制塔からKA007へ連絡。

03:15:15 007 HF 1 「それでいい。KA007は現在330に達した」

と東京管制塔へ連絡。

03:15:19 TOKYO HF 「了解。スタンバイ」

007 HF 1 「了解」

KA007が東京管制塔へ連絡。

03:15:21 Son 「だめだ!この無線感度は非常に悪い」
(C)Junpei Satoh/The truth of Korean Air Lines Flight 007/Several viewpoints from Japan side/Free Document Lisence, 9 September 2009, 10 February 2014